船橋ROOTS

活動報告

2020年06月29日

活動報告10 米チャリティと招待制配信ライブ

皆様、こんばんは。


今日は極めて個人的な趣味の話をさせて頂こうと思います。

大いに退屈な話かもしれませんがお時間ございましたらお目通し頂けますと嬉しいです。


私は音楽と同じ様に映画が好きです。

“サブスク”と呼ばれる便利なサービスもまだなかった10年くらい前までは、狂った様に衛星放送にかじりついて節操もなく映画を見ていました。

どんなジャンルでもだいたい好きなのですが、音楽を愛する自分が選ぶ音楽映画の個人的映画ランキング不動の一位である『ヘドウィグ・アンド・アングリーインチ』(Hedwig and the Angry Inch)という映画を少しだけ紹介したいと思います。


こちらをご覧になっていらっしゃる方でしたら既にご存知の方も多いかと思いますが、この「ヘドウィグ・アンド・アングリーインチ」は元々はオフ・ブロードウェイと呼ばれるマンハッタンにあって比較的小さな劇場で上演されていたミュージカルでした。

共産主義下、東ドイツで男性として生まれたヘドウィグは資本主義の代名詞とも言えるロックミュージックの虜です。

成人し性転換をして米兵と結婚、米国に渡りますが二人の暮らしは長くは続きません。

結婚生活が破綻したその日は奇しくもベルリンの壁が崩壊した日、彼女(或いは彼)は幼い頃に夢見たロック歌手の夢を追い始め全米各地を転々とするというお話です。

公開そのものは2001年と19年(!)も前の映画ですが、当時はマドンナが楽曲権利取得に走ったり、主人公ヘドウィグのカツラ(通称ヘドヘッド)を装着したファンが400回以上も劇場に運んだ、という逸話がつきまとう、色々な意味で衝撃的な映画でした。

(私の拙い文章ではこの映画の魅力を1mm伝えられないのでもしご興味ありましたら是非レンタルやサブスクでご覧になってください)


先述の通り、元々はミュージカルなので劇中には主人公ヘドウィグが歌う様々な楽曲が流れます。

映画中盤にながれる「Wig In A Box」という曲があります。

主人公ヘドウィグを演じるジョン・キャメロン・ミッチェルがスローで始まるピアノに合わせて、とても綺麗なミックスボイスでイントロを歌い上げる美しい曲です。

先日から報道されている「米国人男性暴行死事件」、そしてそこから端を発した各地の米国全土に広がらんとする暴動に心を痛めた脚本/監督/主演のジョン・キャメロン・ミッチェルと、劇中の音楽を担当し映画にもバンドメンバーとして出演したスティーヴン・トラスク、そして現在もオフ・ブロードウェイにて作品を上演している役者様が所謂“テレワーク”での出演でその曲を演奏、黒人やホームレスなどの貧しい人々を支援する団体や米国保釈金基金ネットワークに寄付するために動画を公開したそうです。



この「Wig In A Box」という曲は、主人公ヘドウィグが米兵と結婚して憧れの米国に住まうも、トレーラーハウスで質素な暮らしを余儀なくされ、ベルリンの壁崩壊と共に祖国を失ったその夜に歌い上げる曲です。

愛する人との関係が破綻し、自分の帰る場所も失った一人の人間が自分を客観視し、その状況を少々揶揄した言い回しをして歌う曲です。


歌い出しの部分の歌詞で、


On nights like this

When the world's a bit amiss

And the lights go down

Across the trailer park

(こんな夜に世界はちょっとおかしくなってトレーラーの駐車場に光が消える)


という部分があります。


上記動画の一番最初に歌っている方が映画の主演であるジョンなのですが、彼がその印象的なイントロのこの一部分を「U.S.A」に置き換えて歌っていました。

警官が過剰な対応で逮捕拘留するはずだった黒人男性を殺してしまった「米黒人男性暴行死事件」、そして米国では現在も多数の感染者と犠牲者を出している「COVID-19」の大流行。

私は報道を通して米国の現状の外殻を見ることしかできませんが、日本に住まう私たちがそうである様に米国の人々もとてつもない事態に巻き込まれ心を痛めていると感じています。

その現状を、マイノリティである性転換をした主人公ヘドウィグの歌を借りて、音楽とお芝居という極まった表現で誰かに届けてそれが誰かを救うチャリティになる、という事に深く感銘を受けました。


米国内では現在、黒人差別、少数派差別の撤廃がある種ファシズム的なムーブメントとなり大きく叫ばれる様になりました。

この今の流れが正しいかどうかまでは私にはわかりませんが、差別なんてない方が良いのは火を見るより明らかです。

少なくとも、私が敬愛する方々がこういった活動をしチャリティを行っていることはとても勇気がもらえました。

残り二日にはなりましたが、最後の時間まで皆様にご支援いただける様に頑張って行こうと今にしてもまた決意を新たにさせて頂きました。

上記の動画、わざわざ言葉にするまでもありませんが大変素晴らしい動画となっています。

映画をご存知の方やご興味ある方がいらっしゃいましたら是非ご覧になってください。

閑話休題。



以前からこちらの活動報告でご紹介させていただいておりますが、ソニーミュージック主催グループ「ぷらそにか」所属アーティストの「水谷怜」さんのバースデー配信ライブを来月11日に開催する事となりました。

今まで行ってきた配信ライブはすべて「無観客」での配信ライブとさせていただいておりましたが、今回は抽選での招待制にて5組10名様までをご招待し配信ライブもさせて頂くという内容のライブに決定しました。

彼女自身も上記告知動画でおっしゃっていますが、緊急事態宣言がようやく解除となったタイミング、そして兼ねてより配信ライブをご覧になってくださったお客様から「直接ライブを見たい!」という声に応え実現するライブです。

宣言解除とともに少しずつライブハウスの営業再開も聞かれる様になってきました。

ステージから2m、お客様同士の距離も1m以上とる、入場時に体温測定を実施、マスク着用と手指の消毒、定期的に換気をする等のガイドラインに沿った営業を行えるこの騒動後の初めての船橋ROOTS再開のライブと言えます。

年単位で通常のライブ開催は難しいのではないかと思っていたため、正直こんなにも早くお客様をお迎えするライブが開催できるとは思ってもみませんでした。

この場をお借りして改めて水谷怜さんと、抽選に当選された当日お越しになるお客様に心からお礼を申し上げたいと思います、

本当に本当にありがとうございます。

ご来場になるお客様はもちろん、当日のスタッフ、舞台に立つ演奏者も全員徹底して人との距離や消毒をしてまいりたいと思います。


また明日も活動報告を記載させて頂きたいと思います。

ここまでお読み頂きまして誠にありがとうございました。



船橋ROOTS 店長

清水“Alan”哲詩

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