弱虫倶楽部

活動報告

2020年04月09日

レコーディングでうまくいかなかったこと 前編

少し落ち込んでしまったような話も書いていきましょうか。

前述したROVOの益子さんとのレコーディングを進めていました。

益子さんは本当にすごいです。


素晴らしい耳と腕、音楽への愛情を持った方です。


驚くようなエピソードが沢山あります。

ややマニアックな話、分かりづらい話になってしまうかもしれません。

シーケンスのレコーディングをしていた時の事です。

益子さんは細かな16分のパーカッションの一つの音が半音ずれている事を指摘しました。

ピアノロールで確認してみると本当に半音ずれてしまっていました。

例えて言うなれば、とても賑やかな部屋で、時計の針の音が60秒のうち1秒だけ半音違う事に気付くようなものでしょうか。

ドラムのレコーディングの時にもタムのチューニングが曲のキーに合いすぎて埋もれてしまうから、そこはずらした方がいいと教えてくれました。

僕の声が珍しい声質だと言う話も面白かったです。

声に含まれる倍音成分が多く、5度上のピッチが含まれているのだそうです。

耳を澄まして聴いた後、「もう一人誰かいる」と言っていました笑

すごい耳と知識、経験値に圧倒されつつも面白い話ばかりです。

そんな中で、僕は自分の未熟さみたいなところで一人で勝手に躓いてしまいました。

ボーカル録りの時に良いパフォーマンスを発揮出来なくなってしまいました。

弱虫倶楽部を名乗っているだけあって、普通に心が弱いです笑

僕は一人でどんどん落ち込んでいきました。

何がどうしてとかそれははっきりとは分かりませんが、結局僕はいいテイクを録れないまま、何か挫けたまま帰路につき、朝まで何時間も車から出られずに放心していました。

そしてしばらく音楽に向き合えないような気持ちが続きました。

続く


安島裕輔(弱虫倶楽部)


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