それでも世界が続くなら
Reports
2022-11-03
僕の失望と君の痛みの話、それとありがとう
僕達のバンドのレーベル設立プロジェクト、
君のお陰で設立が決定しました。
本当にありがとう。
こうして言葉にすると、なんだかこの気持ちは本当に伝わるのかなとか軽くなってしまうんじゃないかって不安になってしまうし、なにより、ここからが始まりだと思っているから、安心よりも、いまは期待を裏切らないかとかメンバーは大丈夫かとかの不安の方が強くて、少し報告が遅くなってしましました。心配させてしまってごめん。
(僕のことを知ってる人は、なんとなく僕が少し回復するのを待っていてくれたような気がするから、そこにも本当に感謝しかないです。ありがとう)
なので、「ここからが始まり」で「約束を果たすのはここから」って前提で、
ひとつの区切りとして、書かせてください。
まずは、レーベルの設立を支援してくれた君も、それでも世界が続くならを支えてくれた人も、応援してくれた人も、残らず一人一人に感謝を伝えたいです。
伝わらないかもしれないけど、これだけは伝わってほしい
本当に本当にありがとう。
前置きになるけど、バンドをやってみて当初から思っていたのは、僕には「自分の希望=欲」が圧倒的に足りない、という事です。
このプロジェクトを始める直前、少しでも安全にと今のライブの収容人数の規定(半分)のさらに半分以下まで人数制限をしていたこともあって、いよいよ限界に来ていたライブの赤字と、追い討ちに機材車の故障とかもあって、活動が不可能に近い状況に追い込まれていていました。
もちろんコロナや台風の影響もあるとは思うけど、当時の僕自身は「誰かにとって、もう僕のバンドは必要ないんだな」っていう感覚になっていて、無理してまでやる必要ないという気持ちにもなっていました。
うまくいかなくて諦めてを繰り返して生きてきたような、欲や期待を自分に持てない人間っていうのはこういうところで気力が低くなっていくように思います。
人間の心って矛盾が同居できてしまうもので、僕はメジャーデビューした時から「メンバーと一緒にバンドを続けたい」という気持ちと「もうこの辺で終わりだろうな」という気持ちがずっと同居しているようにも思います。
ずっと延長戦のような気持ちで音楽をやっていた気がします。
こんな僕を、「辞める方」ではなく、いつも「続ける方」に気持ちを振らせてくれていたのは、もちろんメンバーの支えや、数少ないけど僕の音楽をリスペクトしてくれた某ミュージシャンや某アイドルや某メジャーバンド(お前ら今回匿名で参加してくれてるの気付いてるかならありがとう)、僕自身の執念みたいなものもあるんだろうけど、
なにより、僕の音楽を聴いてくれたあなたの存在が本当に助けられて、今日まで来てしまいました。
でもコロナ禍になって、その何処か心の拠り所が感じられる機会が少なくなっていったし、いまは主にガースーがマネージャー業務(プレイングマネージャー)をやってくれていて、へこまないようにしてくれてる(感じがしていた)とはいえ、僕にもバンドが赤字なのは気づいていたし、最近は友人に無理してほしくないなと思うようになっていました。
消費されない為に流行りに乗らず、僕が死んだ後も残るような音楽を、と願っていたくせに、新しいバンドが出てくることも、君が僕の音楽を聞かなくなることは良いことだとも思っていたし。
そもそも僕の曲なんて僕の失望や現実をただ突きつけるだけの単なる実話で、崇高なものなんかじゃない。
あんなにたくさん考えたのに、僕は全然考えられていなくて。矛盾だらけで。
そんな気持ちのまま、どこかで「この白昼夢はいつか終わる」と覚悟しながら歌っていたように思います。
特にここ最近はそれを強く感じていて。
だから、このプロジェクトを始める1ヶ月前は本当に叶うなんて思ってなくて、
シンプルに、ガースーとうとが背負ってくれた借金がなくなってほしいとか、予算がなくなって途中で止まってしまったレコーディングを最後までやれたら喜んでくれるかなとか、ここでバンド終わったらあの子達悲しむかなとか、
メンバーそれぞれ想いがあるとおもうけど、僕はそのくらいの覚悟だったとおもいます。
正確には、どこか「諦める為に、最後に必要かどうかを聞いてくれた君に決めてもらおう」と思う気持ちもありました。
ある意味僕にとって「達成しないことを覚悟していた」からこそ最初で最後のクラファンだと言えたんだと思います。
だからこそ、ずっと心の中にあった叶える気もない願いというか、「いつか誰かを今度は僕が見つけるレーベルをやりたい」「でも経理する頭も背負う覚悟も足りない僕にはできない」という、一生やらないと決めていた夢みたいなものをこのプロジェクトに賭けさせてもらったんだと思います。
(僕の希望につきあってくれたメンバー本当にありがとう)
叶わない前提だから、堂々と願えたし、堂々と君にお願いできた、うまく言えないけどそんな心境でした。
そして11月1日、レーベルの設立が決定しました。
一人一人の気持ちがあると思うから決めつけることはできません、
プロジェクトへのコメントも全部読みました、
それでも、僕は君に「まだ歌えよ」と選んでもらったような気持ちになりました。
君の言葉も、あなたの応援も、言葉も、
僕はまだ今受け止めきれていません。
受け止めきれない位、たくさんのものを渡してもらいました。
受け取ったのは、一人一人の生きてきた一部、
君の人生のかけらを受け取ったと僕は思っています。
「死にたかったけどそれせかのおかげで死なないで生きて、いまは幸せであまり聞いてないけど、感謝を込めて」という人がいました、
今もまだ苦しんでいるのに自分を顧みず僕達の音楽を支えてくれた人がいました。
病気と戦いながら僕達を支援してくれた人がいました。
自分はメジャーバンドなのにインディーズに帰っていく僕達を下にみず心から応援してくれた人がいました。
死にたいと叫びながらも僕達の音楽に自分の明日を賭けてくれた人がいました。
君やあの子から受け取った人生かけらは、とても大きくて、ひとつひとつが大切で重くて、まだ僕には受け止めきれていません。
言葉にならない、
と書いてしまうとなんて軽いんだろう。
言葉は心にはならない。僕のこの文章も、僕の心そのものはならなくて、君には届かないかもしれない。
でも心を表現することはできる。心そのものにはならないけれど、心の一部を伝えることはできる。
言葉じゃ足りない部分も、伝えようとしたという行動で伝えられる。
そんなことを教えてくれたのはこのプロジェクトに参加してくれた君でした。
本当にありがとう。
ここからは、本当にレーベルを設立します。
第一弾がリリースされた日が、設立の日になるのかな。
今からやらなきゃいけないことが山積みです。
4人でたくさん話し合って決めなきゃいけないことがたくさんあります。
揉めたりもするだろうし(マイペースで個人主義な男子チームなので特にそこはうとちゃんが心配)、
単純に忙しくなると思う。もちろん、苦しいことも悲しいこともいっぱい待ってると思う。
そうして過ごしていくうちに、来年春頃には、レーベルの正式な設立と第一弾リリースの発表できるはずです。
言い切るのは難しいけれど、
来年3月から遅くとも5月くらいのはずです。
だから、どうかそれまでは全員生きていてください。
君が「歌え」と言ってくれた俺の歌を聞いてください。
たぶん、ダサくて流行りじゃなくて誰かにとっては根暗な歌かもしれません。誤解されることもあるでしょう、つまらんとバカにされることもあるでしょう。この曲全然好きじゃないと君が思う可能性もあるはずで、君の期待はずれな僕を晒すこともあるはずです。
それを全部、見届けてください。
君の思い通りには生きられない僕です、
だから君も僕の思い通りに生きないでください。
だれもあなたの思い通りにはなりません、
だから、あなたも、誰の思い通りにもならないでください。
死ねと言われても生きてください。
この残酷でクソみたいな世界の思い通りにならないでください。
抗ってください。無様に抵抗してください。
それこそが君自身です。
もしも君が誰かに、もしくは自分自身に、つかえねーと、ポンコツだと、人並み以下と、言われたとしても、
僕にとって、君は恩人です。
あなたの「救われた」という言葉に、僕は救われました。
僕は無力だと、誰も救えないと思っていたけど、
もしかしたら、
「救われた」という言葉に救われることや、
僕の失望が君にとって光になるのかもしれない、
いまはそんなことを考えています。
君の痛みや失望が、誰かの光になるのかもしれない。
そう思ったら、約束だからじゃなくて、きまってるからじゃなくて、リターンだからじゃなくて、
それをちゃんと伝えてからじゃないと終われないなとも思っています。
僕の失望を君が救われたと言ってくれたように、
君の痛みが僕の光になったんだよ、ってことです。
長くなりそう、やっぱ言葉じゃダメですね。
この続きは音楽で。
最後にもう一度、
本当にありがとう。
死んでもいいけど、このレーベルの第一弾のアルバムができるまでは死ぬなよ
僕もそうするから
約束、
またね。
篠塚将行
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